美奈「…えっと…いつからそこに?」


相沢「お前が叫ぶちょっと前。」


うわ、完全に聞かれてる。


美奈「あ、あはは…ごめん、なんでもないから。」


とりあえずごまかすしかない。


美奈「部活は終わったの?」


とにかく話題を変えよう。


相沢「…ああ。今帰るとこ。」


美奈「へぇー…」


相沢「…」


美奈「…」



気まずい。

会話が続かないですが。



美奈「あ…、えっと…」


…帰ろう。


美奈「部活お疲れ。帰り、気をつけてね。ではまた。」


強硬手段だけど、しかたない。
これ以上は無理だ。

1日の精神的ダメージ許容量を超えてしまう。いや、すでに超えている。


クルッと背を向け、さっさと帰ろうとした。


しかし____



相沢「…待てよ。」


え…


ドスの効いた低い声。
どことなく怒っているようにも聞こえる。


美奈「…な…に?」


振り返ると、
相沢くんはゆっくりと私の前まで歩いてきた。


そして。


ソッ__


美奈「!」


優しく私の頬に手を添え


相沢「…どうした?」


顔をしかめ、そう聞いてきた。