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『図書室』

ガラッ

結局、先輩と作業するはめになってしまった。

たしかに公の場はやめてほしいとは言ったけど
2人きりになるのも勘弁してほしい。

イケメンなんて見たくないんだよ、私は。

そんな思いが顔に出ていたようで

帝「お前、すんごいブスだぞ。ただでさえ地味メガネなのに。」

と、いちいち頭にくる言葉を投げかけてくる先輩。


あぁ…、あのとき階段を踏み外さないで
図書室に行けていれば
こいつと2人で作業しないで済んだのだろうか… 

いや、こいつは見つかるまで探したんだろうな、恐ろしくしつこいから。

美奈「早く終わらせたいんで、話しかけないでください。」

帝「は?無理。お前が俺に惚れるまでやめねぇよ?」

美奈「それはありえません。何回も言わせんな。」

帝「なんにも聞こえねぇ。」

美奈「…」

…面倒くさ。

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パチン、パチン…


それから私はひたすら黙々と作業をした。

先輩もはじめのうちは、


帝「あと3日もすればメガネ女も俺の虜だろ!」

帝「おいメガネ女。この俺がわざわざ話しかけてやってるのになんだその態度は。」

などなどの、罵声?を投げかけてきたが、
ひたすら無視し続けていると


帝「…。」

諦めたのか、静かになった。

惚れるまでやめないんじゃなかったのか?

パチン、パチン…

誰もいない、放課後の図書室に
ホッチキスの音だけが響きわたる。

何気なく向かいに座る静かになった先輩をみると

美奈「ッ?!」

じっとこちらを見つめている先輩。


怖ッ!

と思ったのもつかの間、


帝「なぁ…」


フイッ


と目をそらし、
そっけなく口を開いた。

さすがにずっと無視というのも人間としてどうなのか、と思い


美奈「…なんですか?」

そう尋ねると
先輩は少しためらったような顔をして

帝「…この前言ったこと…忘れてねぇだろうな。」

静かにそう言った。