そっと目を開くと___




美奈「?!」



目の前には、相沢くんがいた。



相沢「…大丈夫?」




美奈「え…と…」




どうして、彼がここにいるんだろう。


どうして庇ってくれたんだろう。


と、聞きたいことはたくさんあるけど、



美奈「大丈夫。あ、ありがとう…」


とりあえずはお礼を言わないと。


相沢「…そ。ならよかった。」


無表情にそっけなく言う相沢くん。


…なんかとっつきにくい。



美奈「で…なんで相沢くんがここに?」



今は部活の時間だよね?



相沢「…たまたま通りかかった。」




よく見ると、部活用のTシャツと短パンを着ている。
たまたま見つけたから、助けてくれたのか。


いい人…なんだね。



美奈「…ごめん。怪我しなかった?」

相沢「…俺は大丈夫。お前は?」

美奈「私も全然大丈夫。」

相沢「…それ、何?」


相沢くんが指をさしたのは大きなダンボール。


美奈「あ…」


相沢くんも実行委員。

変に責任とか感じちゃってもあれだし…


美奈「なんでもない。ちょっと運ぶの頼まれただけ。」


部活あるんだし、迷惑かけられないからね。


そう言って再びダンボールを持とうとしたとき




グイッ___



美奈「?」



相沢くんに腕を掴まれた。


相沢「…お前、また転びそうだし俺が運んでやるよ。」


と、これまた無表情、ぶっきらぼうに言う相沢くん。


美奈「いや、いいよ。」


どんだけ親切なんだこの人。


相沢「いいから、お前は場所だけ案内して。」


そう言ってダンボールを持とうとする相沢くん。


美奈「いやいいって。相沢くん部活あるんでしょ?早く戻りなよ。私運べるから。」


そう言って相沢くんの腕を引く。



相沢「…無理。やだ。」



やだって…


子供かよ!


と言いたいのを必死で堪えて彼を止めようと試みる。



そんなやりとりを繰り返していると.





帝「やっと見つけた!おい!メガネ女!勝手にいなくなるんじゃねぇよ!」



1番聞きたくない声が聞こえてきた。