_____教室前(3年生)



風間「あ!帝~。久しぶりに一緒にかえろ♪」


帝「…おう。」


翔太がこうやって声をかけてくるのは
本当に久しぶりだった。

3年前のあの事件以来、俺たちの仲はどことなく気まずくなっていたから。

さらに翔太が生徒会長になってから
いよいよ物理的に時間がなくなっていたから、こうして一緒に帰るのも本当に久しぶりだ。


_____校舎玄関…


風間「あ~俺今すっごくカレーが食べたい!帝は?」


帝「カレー?お子様かよ。俺は唐揚げかな。」


風間「どっちかっていうと、帝の方がお子様だと思うんだけど。」



帝「…たしかに(笑)」


そんなくだらない会話をしながら、
いつものように、自分の下駄箱を習慣的に開ける。



…ガチャ…



帝「…ん?」



靴の上に何か置いてある…?手紙?



風間「どうした?」



帝「いや…なんか、手紙が…」



風間「なんだよ、ラブレター?相変わらずモッテモテだな。」





その時俺は、靴の上に置かれた真っ赤な封筒を見て
直感的に嫌な予感がした。






帝「…。」



カサッ…




封筒を開くと、今度は、
真っ黒な二つ折りにされた紙が出てた。
随分と悪趣味な色の組み合わせだ。


…カサッ…



帝「ッ…!」

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『 山神帝様へ
   私を傷つけたこと、後悔させてあげます。
   私のものにならないのなら、今度はあなたを傷つける。
   あなたの”大切な人”を傷つけることで。Rより』

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風間「これは…脅迫状…。しかもかなりのヤンデレっぷりだけど…帝、何したの…?」


帝「知らねえよ。気味悪い…」



…なんだってんだ?
Rって誰なんだよ…


しかも…


”あなたの”大切な人”を傷つけることで。”


最後のこの文…
まさか…な…




風間「………」




一瞬にしてその場の空気が冷え切った。
翔太も手紙を見たっきり、
考え込むように黙ってしまった。



帝「くそッ…」

クシャッ…



帝「帰るぞ!翔太。」



訳のわからない手紙に苛立った俺は、
手紙を握りつぶし、カバンに入れると、翔太を促した。



風間「…あぁ…。…」