「坂下さん、どうぞ。」
進行役に承諾を得た彩香は、黒板の前まで出てくると、
一枚のチラシのようなものを取り出した。
彩香「皆さん、これを見てください。」
…ちょっとまって?
それってまさか…
彩香「これは、このクラスのある女の子の写真をA4サイズ印刷したものです。」
ちょっ!!!彩香、それっ…!
この前のデート用にコーディネートしてもらった私じゃん!!!
しかも、いつ撮ったの??
てか引き伸ばして印刷して
クラスの見せものにするって、何の罰ゲーム?!
焦りと不安でいっぱいの私とは裏腹に、
クラスの反応は意外なものだった。
「え?誰、めっちゃかわいい」
「誰??」
「みたい!もっと近くで見せて!」
「こんなかわいい子、このクラスにいたっけ。」
うそ…かわいいって言ってもらえてる…?
彩香「みんなありがとう!!実は私、小さい時からプロのスタイリストを目指しているんです。それで、このクラスのある女の子の素質を、このミスコンで学校中のみんなに知ってもらいたいと考えていました。今の私が身につけているすべての知識やスキルを使って。自分の腕試しがしたいの!」
突然語られた、クラスメイトの将来の夢に、
クラス全員が静まりかえる。
彩香「この写真の子は…森永美奈さん。私の親友です。」
えぇっ!!!!!!という声が一斉に飛び出し
再びざわつく教室。
そして、
彩香「私は、森永美奈さんをうちのクラスのミス候補の2人目に推薦します!」
彩香は自信満々に、そう叫んだ。
みんなの視線が一気に私に集中する。
本当にこれが森永さんなの?とみんなが目で訴えてくる。
ああああ…どうしようどうしよう。
何か言わないとだめかな…
私が困惑していると、
彩香「美奈、ちょっとこっち来て!!」
グイッ
いつの間にか私の前に来ていた彩香に腕を引かれた。
そしてそのまま一緒に黒板の前まで出ていくと、
カチャッ
美奈「ッ!!?」
彩香が私のメガネを外したのだ。
彩香「皆さん、美奈はクラスでこそ目立ちませんが、紛れもなくミス候補にふさわしいと私は思います!」
それが最後の追い打ちとなったのか、
パチ・・・パチ・・パチパチパチ
いつもまにか賛成の拍手がなり始め、
「森永さん、メガネを外すと本当にかわいいんだね!!」
「坂下さんのメイクアップもすごい!!」
「もっと見てみたい!!」
「坂下さんの夢の応援したい!!」
そんな賛成の声までもが口々に聞こえてきた。
うそ…
信じられない…
私が…認められている…?
「えーー、それでは、うちのクラスのミス候補2人目は、森永さんで決定したいと思います。」
本当に…ミス候補になれた…
彩香のプレゼン能力の高さに驚かされるがまま、
私は、ミス候補に選ばれたのだった。
とその時、
相沢「……あのっ」
相沢くんが進行役に向かって何かを言いかけた。
「どうしました?」
相沢「…いや…なんでもない。」
しかしそのまま口ごもり、
腑に落ちない表情を机に落としてしまった。
どうしたんだろう…相沢くん。
もしかして、私じゃ納得いかないとか…
もしそうだったら…そう考えると、
一気に胸が苦しくなってしまった。
この瞬間、私は、
クラスの大半に認めてもらえた嬉しさから一変し、
認めてほしい人に認めてもらえない恐怖を強く感じてしまっていたのだった。
進行役に承諾を得た彩香は、黒板の前まで出てくると、
一枚のチラシのようなものを取り出した。
彩香「皆さん、これを見てください。」
…ちょっとまって?
それってまさか…
彩香「これは、このクラスのある女の子の写真をA4サイズ印刷したものです。」
ちょっ!!!彩香、それっ…!
この前のデート用にコーディネートしてもらった私じゃん!!!
しかも、いつ撮ったの??
てか引き伸ばして印刷して
クラスの見せものにするって、何の罰ゲーム?!
焦りと不安でいっぱいの私とは裏腹に、
クラスの反応は意外なものだった。
「え?誰、めっちゃかわいい」
「誰??」
「みたい!もっと近くで見せて!」
「こんなかわいい子、このクラスにいたっけ。」
うそ…かわいいって言ってもらえてる…?
彩香「みんなありがとう!!実は私、小さい時からプロのスタイリストを目指しているんです。それで、このクラスのある女の子の素質を、このミスコンで学校中のみんなに知ってもらいたいと考えていました。今の私が身につけているすべての知識やスキルを使って。自分の腕試しがしたいの!」
突然語られた、クラスメイトの将来の夢に、
クラス全員が静まりかえる。
彩香「この写真の子は…森永美奈さん。私の親友です。」
えぇっ!!!!!!という声が一斉に飛び出し
再びざわつく教室。
そして、
彩香「私は、森永美奈さんをうちのクラスのミス候補の2人目に推薦します!」
彩香は自信満々に、そう叫んだ。
みんなの視線が一気に私に集中する。
本当にこれが森永さんなの?とみんなが目で訴えてくる。
ああああ…どうしようどうしよう。
何か言わないとだめかな…
私が困惑していると、
彩香「美奈、ちょっとこっち来て!!」
グイッ
いつの間にか私の前に来ていた彩香に腕を引かれた。
そしてそのまま一緒に黒板の前まで出ていくと、
カチャッ
美奈「ッ!!?」
彩香が私のメガネを外したのだ。
彩香「皆さん、美奈はクラスでこそ目立ちませんが、紛れもなくミス候補にふさわしいと私は思います!」
それが最後の追い打ちとなったのか、
パチ・・・パチ・・パチパチパチ
いつもまにか賛成の拍手がなり始め、
「森永さん、メガネを外すと本当にかわいいんだね!!」
「坂下さんのメイクアップもすごい!!」
「もっと見てみたい!!」
「坂下さんの夢の応援したい!!」
そんな賛成の声までもが口々に聞こえてきた。
うそ…
信じられない…
私が…認められている…?
「えーー、それでは、うちのクラスのミス候補2人目は、森永さんで決定したいと思います。」
本当に…ミス候補になれた…
彩香のプレゼン能力の高さに驚かされるがまま、
私は、ミス候補に選ばれたのだった。
とその時、
相沢「……あのっ」
相沢くんが進行役に向かって何かを言いかけた。
「どうしました?」
相沢「…いや…なんでもない。」
しかしそのまま口ごもり、
腑に落ちない表情を机に落としてしまった。
どうしたんだろう…相沢くん。
もしかして、私じゃ納得いかないとか…
もしそうだったら…そう考えると、
一気に胸が苦しくなってしまった。
この瞬間、私は、
クラスの大半に認めてもらえた嬉しさから一変し、
認めてほしい人に認めてもらえない恐怖を強く感じてしまっていたのだった。