そしてあっという間に
ロングホームルームの時間がやってきた。


「それでは、まずはこのクラスのミス候補を決めたいと思います。」


ザワつく教室。
みんなが口々にある人物の名前を口にし始めた。
実は私のクラスには、今年のミスコンの上位3位以内をささやかれている美少女がいる。

___美羽都 瑠依(みわと るい)。
平均的な身長で、大きな瞳と華奢な体、
側を通れば甘い香りが漂う、
典型的なかわいい子。

いつも誰にでも笑顔を向けていて、人当たりも良い。
いわば清楚系で男女問わず人気なのだ。

もちろん、クラスのミス候補代表は、すぐに決定した。

「私、美羽都さんがいいと思います!」

どことなく放たれた意見に、
クラス全員が口々に賛成した。

瑠依「え…っと…ありがとうございます////」

ミス候補に自分が選ばれ、照れる美羽都さん。
うん、かわいい。それでこそミス候補。
パチパチと拍手が沸き起こり、
黒板に名前が記載された。


こんな雰囲気の中、
私が推薦されるのかと思うと、ゾッとした。

親友と自分のために人肌脱ぐなんてかっこつけたが
現実がそう甘くないことは嫌という程わかっている。

大事なことだから何回も言うけど、クラスで誰よりも地味なメガネ女子なんですから。


今更、後には引けないけど、、
本当に大丈夫なのか…?と不安になりながら
彩香の方を見てみると、


パチンッっとウィンクが飛んできた。
そして次の瞬間。


彩香「皆さん、聞いてほしいことがあるのですが、いいですか?」


彩香はそう言うと、手を上げて立ち上がった。