帝「別に。」
そっけない返事が返ってくる。
美奈「…では、私はこの書類を先生に渡してそのまま帰ります。」
そう伝え、
書類のまとまった大きな箱に手をかけた時
グイッ
帝「ばーか。あぶねぇだろ。」
腕を引かれ、そのまま体が箱から離れる。
帝「俺が持つ。その代わり条件がある。」
…ん?
帝「連絡先、教えろ。」
しぶといな。
美奈「別に学校で会ったときに時間とか場所とか教えていただければそれでいいです。なので教える必要ないです。」
帝「ほ~。それなら明日、昼休みにお前のクラスに行こうか?」
ギク…
帝「教室にこだますくらいデカイ声でデートの打ち合わせ、してやろうか?」
う…
それは…まずい。
山神帝とデートするなんて知られたら
今度こそ確実にいじめライフの幕開けだ。
それに…彩香に迷惑をかけてしまうかもしれない。
美奈「先輩、意外と頭、いいんですね。」
帝「人をバカにすんのもいい加減にしろよ。で、どうすんだよ。俺はどっちでもいいけどなぁ~」
そう言って意地悪く笑う先輩は
なんとも腹ただしい。
美奈「…わかりましたよ…」
結局私は、
連絡先を教えるしかなかったのだった。