それから私たちは
いつものように他愛ない話で盛り上がった。


もちろん、パフェも堪能した。

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________…



そして帰り道。


彩香「ふー!今日も笑った!」


茜色の綺麗な空へ背伸びをしながら
彩香が嬉しそうに声をあげた。


美奈「そうだね。」


彩香「あー、色んなことがちゃんと聞けてようやくスッキリしたよー!」


美奈「溜め込んでてすみません。」


そのとき__


彩香「ねぇ、美奈__」


一歩先を歩いていた彩香が、
クルリとこちらを向いた。


美奈「どうしたの?」


彩香「溜め込んじゃ、だめ、だよ。」


美奈「え…」


彩香「悲しい気持ちも、苦しい気持ちも、嬉しい気持ちも…」


だんだんと暗く、鎮まっていく夕日の中、



彩香「…好き、って気持ちも。」



彩香の声だけが、空間を超えて
私の心へ染み込んでくるようだ。



彩香「溜め込まないで。」


美奈「彩香…?」


なんだか、いつもの彩香と違う…?


彩香「なんて、ね。」


美奈「…」


影が静かに伸びていく。


彩香「さ!帰ろ!」


美奈「…うん。」



これから何が起こっても、
私は私でいよう。


私の心は今はそう思うことだけで精一杯だった。