私が…沙羅さんと似ている…?

山神帝は…私と沙羅さんを重ねているってこと…?


突然突きつけられた真実に、驚きと戸惑いを隠せなかった。


でもちょっと待って?



美奈「あの、沙羅さんて美人でみんなの人気者だったんですよね?」

風間「そうだよ。とっても綺麗な子だった。」


美奈「私は美人じゃないですし、人気者でもありません。似ても似つかないと思うんですが。」


私の意見に、会長は一瞬困ったような顔をしたかと思うと、


風間「美奈ちゃんはまだ、自分の魅力に気づいていないんだね。」


そう言って優しく微笑んだ。


風間「メガネで隠れてしまっているけど、
美奈ちゃんはとっても美人だって、俺は思うな。」


美奈「!」


そんなこと言われたことないし、
そうですか、と簡単に信じられることでもない。

今まで散々、地味だの、ブスだの言われてきたんだ。
慣れない言葉を聞くと恥ずかしくてどうしていいかわからなかった。



風間「美奈ちゃんはさ、今、帝に振り回されてしまっているよね?」


美奈「はい…」


風間「どんなことが、迷惑、かな?」



そんなの…決まってる…

でも…言いにくい…


私は、言おうか迷っていた。


風間「なにか、相談に乗れることがあれば協力したいんだ。」



そんな優しい会長の言葉に
今日、話を聞きに来た本当の目的を思い出した。


私は平和な学校生活を取り戻したい!

それに、山神帝をよく知る会長なら、
何か力になってくれるかもしれない…

勇気を振り絞り、言うことにした。


美奈「…突然…キスされる…ことです。」