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風間「これが、3年前、帝が中学3年のころに起きたこと。」


あまりにも残酷な話に、言葉を失った。

そんな辛い過去があるような人には見えなかったのに。


山神帝は、ただ女遊びが好きな
最低な男だと思っていた。
でも、それにはこんなにも
重く暗い理由があったなんて…


美奈「話していただいて、ありがとうございました。でも___…」



美奈「こんな話、私なんかが聞いてよかったんでしょうか。」

簡単に話していいような話ではないはずだ。


風間「美奈ちゃんだから、話したんだよ。」

美奈「え…」


風間「帝が君に執着する理由、俺には良くわかるんだ。」


そう言って会長は、私に近づいてきた。


美奈「どういう…ことですか?」

スルッ


会長が私の髪を優しく掴んだ。



風間「媚びない凛とした態度、時々見せる、柔らかい笑顔、そして…」


カチャッ


美奈「!?」


風間「メガネを外した君の顔。そのすべてが、俺に沙羅を思い出させる。」


美奈「…」


風間「俺でも感じていることを、帝が感じないはずがない。」



会長のその言葉に、私は息をするのを忘れた。