「はじめまして」

後ろからポン、と肩を叩かれる。

「俺は、星矢。仲良くしてね、瑠莉叶ちゃん」

振り返ると、女の子みたいな可愛い顔。

髪の毛はオシャレなマッシュヘア、くるりとした大きな目、白い肌。

ぜったい、女のわたしよりも可愛いよ!!

「えっと、よ、よろしくお願いします!」

「瑠莉叶、誕生日いつ?」

晴翔くんがわたしの顔を覗いて聞く。っていうか、いきなり呼び捨てなんだ。

「え? えっと、1月14日だよ」

「オレ、4月6日だから勝った! じゃあ、今から、オレがお兄ちゃんな」

「あ、う、うん」
 
一人っ子だったから、お兄ちゃんができるのは嬉しい。

「お兄ちゃんの命令はぜったいだから」

晴翔お兄ちゃんがにやりと笑って言う。

「......うん! 晴翔お兄ちゃん」

わたしはにっこり笑って頷いた。お兄ちゃんの命令はぜったい......その言葉がどんな意味なのかも知らずに......。