これは九条の作戦に決まってる。まずは周りから固めていくタイプね。

・・・・いや、でも……よくよく考えたらサーバントの家族にへつらう必要はない。九条柊弥……あなたは一体なにを企んでいるの?


そして、料理が出来上がる頃にはお父さんも出来上がっていた。


「いやぁ~、柊弥君!!舞のことをよろしく頼むよ!!舞を立派なお嫁さんにしてやってくれ!!」

「ハハッ。七瀬さんは今のままでも十分、いいお嫁さんになりますよ」

「くぅーー!!柊弥君!!君って男は……本当にナイスガイだな!!」

「いえ、それほどでも」


これ以上お父さんを野放しにしておくと、何を言うか分かったもんじゃないな……危なすぎる。


「律、ごめん。お父さん運んでくれる?」

「ん。はーーい、父さーーん。もう寝ますよ~」

「あぁん?律!俺はまだ飲み足りん!!離せ!!」

「酔っぱらいの戯れ言は聞きませーーん」


適当に首襟を掴んで、お父さんを引きずるように運んでいく律。なかなか容赦ないなぁ……。


「父さん寝かしつけてきたから」


平然とした顔で戻ってきた律。『父さん寝かしつけてきたから』って、一体なにを……いや、考えるのはやめよう。


「「「「「「いただきます」」」」」」


みんな声を揃えて合掌し、お父さん不在で何故か九条が居るという何とも言えない食事が始まった。


「舞おねえちゃん、これとってもおいしい」