──── そして、買い物から戻ってくると、既に全員が集結していた。


「あらっ、ものすんっごくイケメンじゃない!!」


ここぞとばかりに九条を褒めてハイテンションなお母さん。


「おお、どんな手を使ったのやら」


拍手しながらしれっと失礼なことを言う律。


「フンッ。どーも胡散臭ぇな」


意外や意外、感の鋭い慶。


「おかえり~」


ニコニコして可愛い煌。


「まぁまぁ、適当に楽にしててくれよ。あ、俺と1杯どうだ?」


何食わぬ顔で未成年にお酒を勧めるお父さん。


「お母様、弟君達……はじめまして、九条柊弥です」

「いやぁ、本当にイケメンね~」

「舞、玉の輿じゃん」

「いや、舞ちゃんは騙されてるね」

「舞おねえちゃんのカレシ?」

「柊弥君になら舞をやってもいいと俺は思ってるよ」

「ハハッ。七瀬さんがとても素敵な女性なのが頷けます。その理由はココにあり……ですね。とても素敵なご家族だ」


──── うわぁ……出たぁ。二重人格……じゃなくて猫かぶり。


あたしは呆れ返って、くだらないものを見るような目付きで九条をチラ見しながら台所へ向かった。

さて、作りますか。

あたしが料理をしている間、何やら楽しそうに喋っている声が聞こえる。


「舞ごめんね~、柊弥君とのお喋りが楽しくってついつい話し込んじゃったわ~」

「ははは……」