「柊弥様、いかがいたしましょう」

「ホームセンター行ってやって~」

「承知いたしました。では七瀬様、ホームセンターまでお連れしますね」

「……ああ、はい。よろしくお願いします……」


なるほど……あくまで九条柊弥の指示にしか従わないってやつね。ま、それもそうか。

ていうか、こんな男に忠誠を誓ったのかな?この人。すごーー。


「つーかさぁ、ホームセンターで何買うわけ~? あんな場所、女子中学生が行くかねえ?普通」


・・・・言いたくない。“ロウソク”を買いに行くだなんて、口が裂けても言いたくない。こいつは絶対、嘲笑うに決まってる。


「べっ、別に何だっていいでしょ」

「言えないような厭らしいもんでも買うの~?」

「はっ?んなわけないでしょ!!」

「なぁに必死になってんだよ~。ウケる~」


あーーもうっ!!このおちゃらけた感じが本当に腹が立つ!!

相手にするだけイライラするから、喋らない方が無難だと判断したあたしは、最後に九条を睨み付けて顔を逸らした。

特に代わり映えのない街並みを窓越しから眺め、ただただ無心になる。


「なぁ、怒った~?」

「ねぇねぇ~」

「お~い、七瀬ちゃ~ん」

「無視とか酷くなぁい?」

「短気は損気だよ~?」


ひたすらあたしに話しかけてくる九条。

このおちゃらけた喋り方なんとかならないわけ!?本当にイライラするんだけど!!