『何様だよ、お前』ってさ……こいつにだけは言われたくないんですけど。
それはこっちのセリフだわ。
『あなたが何様ですか?』って感じなんだけど。
暴君にもほどがあるでしょ。だいたいさ、何でこいつの車に乗せられてるの?あたし。
意味が分かんなすぎて理解が全く追い付いていない。ていうか、これは立派な“拉致”なのではなかろうか。
「なぁーー。まさかとは思うけど、俺との交渉忘れてないよな?お前」
「は?交渉?」
「はぁぁ。お前さぁ、三歩歩いたら忘れるわけ?馬鹿すぎない?よくそんなんで生きて来れたな」
・・・・なんだろう。こいつの一言一言がマジで癪に障る。
「はは。そんなあなたも勉強とは無縁そうですけど、人にアレコレ言えるほどの学力はお有りで?」
こんなちゃらんぽらんな奴、絶対ろくに勉強なんてしてないし、授業だってまともに出席してないでしょ。きっと遊びまくっているに違いない。
・・・・特に“女遊び”ね!!
「七瀬様。柊弥様は全国統一テストで群を抜いて1位。世界的学力テストでは上位トップ10入りを成し遂げた御方です」
・・・・ははは……何ですかそれ、マジですか。
頬をひきつらせながら九条の方を見ると、フンッと鼻で笑って凄まじいドヤ顔をしていた。
いやいや、もう次元が違うって。
「お前が俺に勝とうなんて、一生かかっても無理だから諦めろよ~?ま、俺に逆らうことは辞めといた方が利口ってこったな。だってお前、俺に勝るもん何一つ無いじゃん。ははっ!!」