ベッドからコロンッと落とされたあたしは、床にベチャッと張りついた。

何事もなかったかのように立ち上がって、大きなあくびをしている九条。……あのさ、女子を足で蹴ってベッドから落とすとかありえなくない?


「ああ、ねえ~むっ。あ、お前これから毎日俺を起こしに来い」

「は、はあぁ!?自分で起きなさいよ!!」


立ち上がって、身なりを整えながらイライラするあたし。


「お前に起こされると、すこぶる気分がいいんだよ」

「え?」


九条を見ると、悪魔のような笑みを浮かべていた。これは間違えなく、腹が立つようなことを言ってくるに違いない。


「ド庶民から起こされると気分がいいって言ってんの~。優越感に浸れるからね~、最高の朝ってやつ~?」


・・・・ほらね?余計なことしか言わないでしょ?性格わーーるっ!!


「ま、これが最後だと思いますけどねーー」


そう言って、あたしは九条に背を向けて歩き始めた。


「あ?それ、どういう意味だよ」


振り向くと、機嫌の悪そうな顔をしている九条が腕を組んであたしを見ている。


「知ってるでしょ?サーバントの体力テスト」

「ああ、今日だな。それがなんだよ」