まずはご両親に挨拶……『俺様御曹司に無理矢理サーバントにさせられました!ド庶民代表をやらせてもらっています!七瀬舞と申します!不束者ですが、よろしくお願いいたします!!』


・・・・いやぁぁ……ナイナイ。


「七瀬様」

「はひっ!!」

「くく……。ご安心ください。現在、柊弥様は“離れ”にお住まないので、“母屋”には行きませんよ」

離れ……?母屋……?

家が2つあるってこと……だよね?でも、なんで九条は離れで生活してるんだろう……別に興味はないんだけどね?ちょっとした疑問ってやつ。


「へえ……」

「最近、少々旦那様との折り合いが悪くてですね。柊弥様が母屋から離れた……というだけの話です」


いや、十分重い話だと思いますが……。そんな微妙なタイミングであたしは九条家に行かなきゃいけないの?マジで嫌なんですけどぉぉ。


「あの~、車で待機じゃダメですか?」

「ダメです」


即答ですか……。これはもう、腹を括るしかないかもしんない。


「はぁぁ……」


思わず大きなため息をついてしまった。


「七瀬様」

「あ、ごめんなさい」

「……私は霧島と申します。柊弥様のお連れ様に自ら自己紹介をしたのは七瀬様が初となります。私は主に柊弥様の世話役をしております。よろしくお願いいたします」