で、濡れた下着も制服も回収されていた。いくら前田先輩とはいえ、あんな安物の下着を見られたのはさすがに恥ずかしい。


「はぁぁぁぁ」


ため息をついて部屋へ戻ると、ソファーに座ってスマホをいじっている九条しか見当たらない。


「寒くねえか?」

「え、あ、うん」

「風邪なんて引かれたら俺が迷惑被るからな」


・・・・そっちかよ!!優しい……とか少しでも思ったあたしの穢れなき心を返せよ!!


「ああ、そうですか……」

「ったく、帰るぞ~」

「あたしは歩きなのでここで……さようなら、マスター」


ペコッと頭を下げて去ろうとすると、ギュッと腕を掴まれた。振り向くと、呆れた顔をしている九条。


「いや、お前バカなの?俺が乗せてくに決まってんでしょ。この俺様が毎日送迎してやんだから感謝してほしいわ~。礼がしたいってんなら……その体、貰ってやろうか?」


ニヤついている九条にイラッとして、反射的にビンタを食らわそうとした……けど、見事に防がれた。


「フッ。二度も同じ手は食らわん」


両腕を掴まれているあたし。離れたくても九条が馬鹿力すぎて離れられない。


「ちょっ、離して……よ……」