九条にお礼くらいはちゃんとした方がいい……よね?


「あの、九条様っ……」

「くくっ。お前の“九条様”呼びおもろ~」


思わず舌打ちしそうになったけど、何とか抑えたあたしをどうか褒めて欲しい。


「……あの、ありがとうございます。いただきます」


無意識にニコッと笑ってしまったあたしの額に、ピンッと軽くデコピンしてきた九条。


「お好きなだけど~ぞ」


なんか九条の言い方が優しくて……気持ち悪!!とか思いいつつペコッと頭を下げて、前田先輩と食堂に向かった。

食堂に向かう道中、そして食堂内でもジロジロと見られている視線が痛い。でも、そんなことどうでもいいくらいお腹が空いている。


ふとメニュー表を見ると……安くても3000円近くするメニューばかりだった。こんな高級なランチ、もう一生食べられないだろう。

九条も好きなだけって言ってたし……いいよね?

大丈夫大丈夫!!そう自分に言い聞かせて、たっくさん頼んだ。


「ねぇ、あれ……九条様の?」

「九条のサーバントって言うから、めちゃくちゃ可愛い子だと思ってたわ」

「なによ、あれ。見るからに庶民くさ~い」

「貧乏丸出しね」

「いや、でもよく見てみろよ。結構美人だぜ?」