「九条様。私が七瀬さんをランチでも……とお誘いしました。ご了承いただけますでしょうか?」

「フンッ。貧乏人にランチするお金なんてあるのかしら?」

「凛、そういう言い方は良くないよ?せっかくだし行っておいでよ、舞ちゃん。前田さん、はい……これ」


財布からカードを取り出して、前田先輩に渡そうとしている蓮様。


「蓮様。私がっ……」

「おい、蓮。余計なことすんな」


何故か不機嫌そうな九条が蓮様のカードを奪い取って、その代わりに自身のカードをあたしに差し出してきた。


「これで払え」

「え、あ……いや、それはっ……」

「俺が『これで払え』って言ったのが聞こえね~の?」


有無を言わせぬ笑みを浮かべている九条。あたしは渋々カードを受け取った。


「前田もそれで食えよ~」

「ありがとうございます」

「あ、上杉も行ってこれば~?」

「九条様、お心遣いありがとうございます。ですが、私は馴れ合う気などありませんのでご遠慮させていただきます」

「ハハッ。ウケる~」


いや、何もウケないでしょ。あんたのサーバントが嫌われてるのに『ウケる~』って何事よ。

・・・・ま、九条のサーバントも明日で終わると思うけど。


「行きましょうか、七瀬さん」

「あ、はい」