柊弥のルックス、もしくは家柄目的で上手いこと言い寄ってきた女……という可能性も捨てきれない……となると、それなりの女だろうな。相当な手練れか?

うーーん。まあ……試してみるのもありかな?

柊弥は僕の大切な幼なじみで親友だからね──。


──── 予想も何もかもが覆された。


柊弥の隣に居たのは綺麗な顔立ちをしていて、化粧っ気のない素朴な女だった。小動物系女子でもなければ、金目当て女子でもなさそうだ。

どう見ても、柊弥に向けている視線が他の女とは違う。むしろ柊弥を毛嫌いしているようにも見える。

それに、ハイハイと言うことを聞くような女にも見えない。どちらかと言えば、気の強い方だろうな……このタイプは。

・・・・へぇ、なるほど?

今までに無いタイプだ。これは面白くなりそうな予感がするね。まあ、あの柊弥が自ら選んだ女だから問題はないと思うけど……やっぱり心配だからね、ちょっと揺すらせてもらうよ?

僕達を見て戸惑っている彼女は、あろうことか柊弥のことを『九条』と呼び捨て。それを上杉さんが見逃すはずもなく、彼女を連れて行ってしまった。


「ちょっと柊弥!!正気!?」

「あ?なにがぁ?」

「あんなド庶民の何処にでも居そうな女!!容姿だって、よく言って上の下レベルじゃない!!」