──── 九条財閥とまではいかないが、西園寺財閥もそれなりのグループで、その西園寺財閥の御曹司であるこの僕、西園寺蓮は幼なじみで親友でもある九条柊弥が時に心配でならない。

あの柊弥が妙に執着している“最高のおもちゃ”とは、一体どんな女なのだろうか。

僕は柊弥と付き合いは長いけど、女に興味なんて更々ないってタイプだったはずだ。『連絡が来ねえ』『女ってマメに連絡してくるもんなんじゃねーの?』等々。あの柊弥が女と連絡を取りたいだなんて、信じられないよ。

・・・・“最高のおもちゃ”……か。どんな女か気になるね……楽しみだ。


「ようやく柊弥の“最高のおもちゃ”とやらが拝めるわね」

「ハハッ。落ち着きなよ、凛」

「蓮、私はいつだって落ち着いてるわ」


柊弥の女絡みの話となると、すぐ機嫌が悪くなって苛立つ凛を毎回宥めるのが兄である僕の役目でもある。

凛は柊弥のことが大好き……とは言っても、ラブではなくライク。“柊弥は私のモノ!!”という独占欲が年々増していて、本当に大変だ。


・・・・さて、そろそろ来てる頃かな?


僕の予想では、オドオドした小動物系女子だと勝手に思っている。いや、でも分からないな。