すると、バンッ!!と物凄い勢いでドアが開く音がして、ビクッと体を跳ね上がらせながら、目を真ん丸にしてドアの方へ顔を向けた。


「ほれ、睫毛についてたから取ってやったぞ」


九条は取ったホコリをわざわざあたしに見せてゴミ箱へ捨てた。

・・・・おまっ!!紛らわしいにも程があるでしょ!!

どっからどう見ても、あれ(キス)の流れかな?って思うじゃん!!

これじゃあまるで、あたしが期待してたみたいな感じになっちゃうじゃん!!めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど!!
 

「あなた達は一体何をしているのかしら」


鬼の形相であたしを睨み付けている可愛らしい女の子と男女数人。品定めするように、頭のてっぺんから爪先までジーーッと眺められるあたし。


「……ちょ、九条。説明が欲しいんですけっ……」

「君」


鬼の形相ガールの隣にいる男が、あたしを真っ直ぐ見て眼鏡をキランッと光らせた。


「あ、あたしでしょうか……?」

「そう、君のことだ。ちょっと来なさい」

「へ?」

「私について来なさい」

「は、はあ……」


チラッと九条を見ると、シッシッと犬を追い払うように扱われてイラッとしつつ、眼鏡君の後を追った。そして、空き教室のような所へ連れて行かれる。


「あ、あのぉ……なんでしょうっ……ひぃっ!?」


ドンッ!!と物凄い勢いで壁ドンされた。これは胸キュンな壁ドン……なわけがない。違う意味で胸がキュンとする。