「本当になんなの?あの人は……」


結局、九条から連絡が来ることはなく4月になって、始業式もいつか分からない状況が続いていた。まぁでも、マスターである九条がなんの指示も出してこないってことは、とりあえずサーバントとしての仕事は今のところ特にないって解釈で……合ってる……よね?


──── とある日の朝……。


「あらっ、いらっしゃい」

「おはようございます、百々子さん。朝早くにすみません」

「舞なら部屋で寝てると思うから起こしちゃって~」

「お邪魔します」


寝ぼけながらも、聞き覚えのある声が微かに聞こえてきた。

コンコンッ……と部屋のドアを叩く音がして、返事をする間のなくガチャッとドアが開く。

半開きの目でそっちを向くと、とびっきりの笑顔で突っ立っていたのは……我がマスター、九条柊弥だった。バチッと目を見開いて、勢いよく上体を起こした。


「おはよう……""七瀬さん""」


怖いほど満面の笑みを浮かべながら部屋に侵入してきた九条。


「お、おはよう……ございます……九条……君」

「いやぁ、連絡が一切なかったもんだから、死んでんのかな?って心配してたんだよ」

「あ、あははー、それは無駄なご心配をおかけっ……!?」


ドンッと肩を押されたと思ったら……いや、なんでこうなった!?

ベッドに押し倒されて、あたしの上に九条が跨がってるんですけど!?しかもめっちゃ顔近い!!距離感バグりすぎ!!