・・・・いや、とりあえずサーバントの収入を得るまでは控えよう。どうせ九条のことだからこのスマホを使い続けろって言いそうだし、使用料金を自分で払えるようになってから、美玖達に教えた方が無難かな?


「ああ……眠っ」


ベッドに腰かけると、フワッと香ってくる九条の匂い。さっきベッドに飛び込んだ時は気にならかったのにな。


「ほんっと無駄にいい匂い」


布団の中に入って、ほんのり九条の匂いに包まれながら目を瞑ると、いつの間にか意識が飛んでいた。


──── パッと目が覚めると、寝落ちしてから3時間ほど経っている。


眠い目を擦りながらスマホを確認すると、当たり前かのごとく九条からのメッセージやら着信やらで埋め尽くされていた。眠い目というより死んだ目をしながら、とりあえず返信をすることにした。


《寝落ちしてた》


そっこーで既読になるこの気持ち悪さよ……。九条って暇人なの?スマホ依存性すぎない?


《俺の許可なく寝るな》


いや、俺様通り越してパワハラすぎて笑えないんだけど。


《暴君すぎでしょ》
 
《何ともでも言えば~?てか、寝るんなら寝るって言ってくんね?》

《だからさ、寝るつもりなかったんだって》

《お前のせいでさ、俺が無駄な時間を過ごすことになるよねーー?勘弁してほしいんだけど~》


それはどういう意味?

・・・・まさか……あたしの返信をずっと待ってったってこと?

いやいや、それはないでしょ。