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「お嬢様、あまり朝食を召し上がっていませんでしたが、何か食べられますか？」
「……いらない。」
「バッグの中にチョコレートを入れておいたのでお召し上がりください。」
「ありがとう、桔梗。」



　1人で食事をするのは嫌い。だけど、今朝の朝食のような味のしない食事をするのも嫌い。

　学校までは車で20分ほど。
　気分が良くないから寝てしまおう。



　「明日……か。」



　気がつくと車は学校の前に着いていて、桔梗と一緒に校門から校舎へと続く階段を登る。



「ご機嫌よう、灯様。」
「ええ。ご機嫌よう。」
「灯様！ご機嫌よう、今日もとてもお綺麗です。」
「ご機嫌よう。そんなことはないわ、いつも通りよ。」



　学校の敷地内に入るとこうなるのが毎朝のお決まり。
　わたしが歩いている周りにはいつも生徒がずらっと並んでいてわたしは挨拶をされる。


　そして、わたしと同じことをされる人がこの学園にもう1人。