女を中心に、取り囲むようにして立つ男たち。
女の人は目から雫をこぼしていた。
ポタポタと、地面に染みができる。
その姿が、自分とよく似ていて。
わたしの足は、一直線に男たちに向かっていた。
かっこつけて英雄きどりになるつもりはない。
ただーー、“自分と同じ”だったから。
助けたいって。
救いたいって。
思ってしまったんだ。
「ちょっとどいてください」
わたしは男たちに声をかける。
「あ?」
「なんだてめぇ」
制服の上着を脱いで、女の人の肩にかけてあげたわたし。
女は赤い目を丸くして、わたしを見ている。
わたしはスッと立ち上がり。
男たちと視線を合わせた。
あきらかに、自分より年上の若い男たち。
体つきも、程よく筋肉がついて力がありそうだ。
男のひとりが前に出てきて。
「お嬢ちゃん、こんなマネしてタダで済むと思うなよぉ?」
顔を近づけられて。