わたしは、ガクリと膝を地面につけた。
「じゃあ、どうしたらいいのっ……!」
わたしはすがる思いで、琉叶の黒いシャツを掴んだ。
「そうだ! 琉叶は確か暴走族の総長、なんだよね!?」
「……」
黙り込む、琉叶。
「だったら、お願い! 花梨を助けて!!」
「……悪いが、それはできない」
「どうして!?」
「あいつーー、京野は、“雷雅神《らいがじん》”のメンバーだ」
「らいが、じん……?」
「暴走族“今宵魔”と敵対関係にあるチームの名だ」
「だったら、なおさら……!」
「今は、休戦中でな。そういう決まりになっている」
「えっ……!? そ、そんな……」
わたしの手がずるずると地面に落ちた。
「か、りん……、花梨……っ」
思わず両手で顔を覆うわたし。
「……なぜそんなに悲しむ? 友達なんて、
ただの馴れ合いに過ぎないだろ?」
「ーーちがうっ!!!」
即答するわたし。
「花梨は……、花梨はわたしのたったひとりの
大切な友達なのっ……!」