「痛いっ!! 放して紫海……っ!」

「しかも、わざわざ新しい男を家に招くなんてなぁ!!」

こめかみに青筋をたてる京野さん。

どうやら、琉叶のことも勘違いしているようだ。

わたしは、とっさに京野さんの肩を掴んだ。

「お願い、やめてください!!」

「は? てめぇも殴られてぇのか、あ?」

ギロリと睨まれ、思わずひるんでしまうわたし。

「花梨には、もっときっつーいお仕置きが必要だなぁ?」

「京野さん……っ、やめて!」

わたしの制止の言葉も聞かず。

京野さんは、花梨の髪をひっつかんだまま。

ーーーガンガンガン!!

テーブルの角に何度も何度も、彼女の顔を打ち付ける。

血が、そこら中に飛び散った。

このままじゃ、花梨のかわいい顔がつぶれちゃうっ……!

わたしは一旦身を引いて。

ポケットからスマホを取り出した。

警察呼ばないと……!

すると。

今までどこにいたのか分からなかった琉叶が。