わたしが驚きの声を上げると。

「大切な友達の為なら、これくらい当たり前!」

「ありがとう……、嬉しいっ」

わたしは半泣きになりながら。

花梨に思い切り抱き着いた。

そして。

わたしと、琉叶、花梨は、ケーキを囲う

ようにテーブルに座る。

「翼ちゃん! 16歳の誕生日おめでとう!!」

花梨が切り分けたケーキを食べていると。

今度はバースデープレゼントをもらった。

あけると、中身はコスメのリップスティック。

わたしは早速、手に取ってみる。

「わ~! これ、赤だけど凄く上品な色だね!」

「でしょでしょ?」

花梨ちゃんはドヤ顔で、言葉を続けた。

「その口紅はね、美しい唇になれるって好評なんだよ」

「へ~、でもなんか恥ずかしいな、わたしにはもったいないよ」

「もー、そんなこと言って~」

「だって……」

「翼ちゃんは、美人さんなんだから~!」

「えへへ……、ありがとう」