「ちょっ……、あんた何考えて」
「シッ。誤魔化すのには、この設定が一番だ」
「そ、そうかもだけど……!」
コソコソと会話するわたしたち。
すると。
「なぁんだ!! 翼ちゃん、とうとう彼氏が
出来たんだね!! おめでとうっ!」
わたしの目の前に顔をずいっと近づけて。
花梨ちゃんは、満面の笑みで、祝福の言葉をくれた。
「へ……? あ、うん。ま、まぁね」
「外寒かったよね? 早く上がって、上がって!」
「俺もいいのか?」
「もちろんっ! 翼ちゃんの彼氏さんなら、尚更大歓迎だよっ!!」
わたしとーー、琉叶のふたりは。
彼女に促されて、家の中へとお邪魔させてもらった。
リビングルームに足を踏み入れると。
色とりどりの折り紙で飾り付けられた空間に。
テーブルにはバースデーケーキと。
リボンで包んだプレゼント箱が置いてあった。
「えぇっ、わたしの為にわざわざこれ全部用意してくれたの!?」