「……は?」
すると、玄関が勝手に開く。
中から出て来たのはーー。
「あっ! 翼ちゃん!?」
わたしの唯一の友達で。
茶髪のボブヘアがよく似合う美少女。
日南 花梨《ひなみ かりん》ちゃん。
「花梨《かりん》ちゃん、ごめんね、こんなに遅くなっちゃって」
わたしは申し訳なさに眉を下げる。
「そんな顔しないで! きっと翼ちゃんのことだから、
なにか言えないことでもあったんじゃない?」
ーーギクッ。
か、花梨ちゃん鋭いなぁ……。
そう思っていると。
花梨ちゃんの視線が桔梗原に向く。
「え、え、え!? 隣のイケメンさん誰!?」
ちょっと興奮気味に。
わたしに大声で質問してきた花梨ちゃん。
「え!? え~と、その……」
わたしが何と返事していいか分からず、もじもじしていると。
突然、桔梗原がわたしの肩を抱いて引き寄せる。
「俺は翼の彼氏、琉叶だ」
「!!?」
わたしは、一瞬にして顔が赤くなる。