わたしは慌てて。
「誤解だってば!!」
男の方が明らかに年上なのに、わたしは敬語を忘れて叫んだ。
ピタリと、男の足が止まる。
わたしはむくりと立ち上がって。
「初対面の人に向かって“犯人”だなんて、他の人には言っちゃ
いけません!! わかった!?」
「……は」
男は目を見開いて固まっている。
わたしはペンダントを男に投げ渡した後。
「そんなに大切なら、もう二度となくさないように!!」
わたしは怒りながらその場を去った。
「まったく、なんなのあの男……、」
ぶつぶつ文句を言いながら、わたしは繁華街から離れた、
住宅地を歩いていた。
……、ん?
わたしなにか忘れているような……。
「へっへっへ。見つけたぜ、嬢ちゃん」
「ーーっ!」
突如、四方八方から、わたしを追いかけていた男たちが
ゾロゾロと姿を現した。
完全に囲まれたわたしは、その場で後ずさる。
ど、どうしよう……。
この状態じゃ、逃げられない!!
全身からブワッと冷や汗が出る。