「......わたし、高野くんのことが好きです!付き合ってください!」

「えっと......ごめん。橋本のこと女だって思ったことない」

高野くんは少し困ったような表情で言う。

失恋した。涙が溢れ出す。ふられたことよりも、女だと思われていないことに。わたしはショックで流れそうになった涙を隠すように背を向けて走り出した。

家に帰りたくないな。たぶん、目が腫れている。ぜったい、アイツに冷やかされるし。

「なに泣いてんの?え、高野に振られた?お前女じゃないししょうがないだろ」

って馬鹿にするかな。

わたしだって、女の子として見られたいよ......。

いつもサッカーをして遊んでいる公園が見えた。

目の腫れが治るまで、気持ちが落ち着くまで、ここにいよう、そう思い、わたしは公園のブランコに座った。

わたしがうつむきながら漕いでいると、

「......美咲?」

アイツの声がした。今だけは一番会いたくないのに。

「りょ、う......?」