〇カラオケ店
◇放課後
男1「じゃあ……まずは自己紹介から始めようか。まず俺らから紹介するね」
聖也「左から友也、真ん中が大智、そして俺が聖也。3人ともよろしくね」
友也「よろしく」
大智「よろしくね〜」
仁奈・紗知「「よろしくお願いしま〜す!」」
瀬奈「よ……よろしくお願いします」
紗知「じゃあ女子は私から!奥に座っているのが瀬奈、次が仁奈、私が紗知。今日めっちゃ楽しみにしてました!よろしくお願いします!!」
大智「俺達も楽しみにしてたんだよー」
聖也「よろしくねー」
パチパチパチ――
盛り上がり始めたけど、このテンションについていけない……。
聖也「じゃあとりあえず、ペアを作りますか!」
えぇ!?
紗知「OK〜勝った順でペア作るのはどう?」
仁奈「賛成!」
どんどん話が進んでいく。合コンってこんなに忙しいものなの!?
友也「じゃあ行くよー。最初はグー、ジャンケン――」
聖也「よろしくね!瀬奈ちゃん」
私とペアになったのは、1番テンションが高そうな聖也さん。
私が苦手な部類の人だ……。
瀬奈「お……願いします……」
聖也「もしかして緊張してる?こういうのって初めて?可愛いね〜」
瀬奈「アハハ……」
何も言ってないのに自己完結してどんどん話の内容を変えていく。
聖也「――それでさぁ、俺こう見えて服とかめっちゃ好きでよく古着屋とか行くんだよ」
瀬奈「そうなんですね……」
私が話す隙もなく、自分のことだけをひたすら話してくる。
そういえば、紗知たちはどうしてるんだろう。
チラッと周りを見ると――
紗知「えっ、ほんと!?私もそのお店よく行くよ!」
大智「じゃあ今度一緒に行こうよ。連絡先交換しない?」
紗知は共通の好きなお店の話で盛り上がり、仁奈は――
仁奈「私って結構ドジだから〜、周りから鈍臭いって言われるんですよ……」
友也「え〜それ絶対妬みとか入ってるよ。俺は仁奈ちゃんのそういう抜けてるところ可愛いと思うよ?」
こっちもまた別でいい感じそう……。
はぁ……帰りたい。
――――数分後
大智「紗知ちゃんがもう眠いって言うから俺送ってくわ。お先に」
手を振って帰っていく2人。
いや、紗知なんて毎日夜中の3時まで起きてますけど?
今の時刻は23時……絶対嘘じゃん!
友也「じゃあ俺らも帰ろうかな。帰りに寄りたいお店があるし、ね?」
仁奈「うん!じゃあ私達もお先でーす」
バタン――
瀬奈「…………」
聖也「…………」
気まずいし、帰ろうかな。
瀬奈「あの……私もそろそろ帰ります」
聖也「えっ、もう帰るの?俺的にはもうちょっと一緒に居たいんだけど」
瀬奈「でも、もう遅いですし……すみません。今日はありがとうございました」
聖也「じゃあ送ってくよ。女の子を一人で返すわけにはいかないし」
瀬奈「いえ、そこまで遠いわけでもないので大丈夫です。それにあと少しで終電なので走って帰りますので」
聖也「それでも何があるか分からないから。ほら、夜って怖いことだらけだし。それに走るなんて大変だから無理して帰らなくてもいいじゃん。終電逃したら俺と一緒にどこかに泊まろうよ」
意地でも私と夜を過ごしたいこの男。
このままだと埒が明かない。面倒くさいことになる前に帰るのがいい。
瀬奈「とにかく一人で大丈夫なのでっ!」
聖也「ちょっ、おい待てよ!」
先ほどまでの緩い話し方は消えて、大きい声で叫び始めた。
これはやばいと思って足早に部屋を出る。
〇カラオケ店の入口
◇夜
外へ出るとやはり暗く、それでも建物の看板たちで街が照らされている。
夜の街って感じだ。それにしても……
瀬奈「ハァ……」
よかった。追いかけてこない。
まさかいきなり合コンに参加させられるとは――
疲れた。早く帰ろう。
聖也「ちょっと待って!」
えぇ!?
急に腕を掴まれ、後ろを振り向くとさっきの自己完結男が息を切らしていた。
やばい、やばい、やばい!
これ以上この人と関わりたくないんだけど。
瀬奈「ま、まだ何か?」
聖也「そんなに冷たくしないでよー本当は恥ずかしくてそんな態度取ってるんでしょ?俺はちゃんと分かってるから。だからまだ俺と居てよ」
なんとも見当違いな。
ここから早く去ればよかった。
瀬奈「あの、恥ずかしいとかではなくて本当に一人で帰りたいだけなんで」
聖也「ツンデレなんだね。俺そういう子も好きだよ」
ダメだ、話が通じない。
聖也「恥ずかしいんだったら俺がリードしてあげるから、とりあえず付いてきて。今から駅に向かっても終電に間に合わないだろうし、こっちにいいお店あるからまだ遊ぼうよ」
人の話も聞かず、腕を掴まれたまま連れて行かれそうに。
瀬奈「離してください!」
周りの騒音で私の声が上手く届かない。今度は大きな声で。
瀬奈「あのっ!離し――」
?「おい」
え?
横から出てきた第三者の手。
そして私は最近までこの声を聞いたことがある。
聖也「お前誰だよ」
?「お前こそ俺の知り合いに、何してんだ?」
明かりに照らされた銀色の髪が綺麗に揺れる姿に息を飲んだ。
そうまるで狼のような彼が私のを助けてくれたのだ。
◇放課後
男1「じゃあ……まずは自己紹介から始めようか。まず俺らから紹介するね」
聖也「左から友也、真ん中が大智、そして俺が聖也。3人ともよろしくね」
友也「よろしく」
大智「よろしくね〜」
仁奈・紗知「「よろしくお願いしま〜す!」」
瀬奈「よ……よろしくお願いします」
紗知「じゃあ女子は私から!奥に座っているのが瀬奈、次が仁奈、私が紗知。今日めっちゃ楽しみにしてました!よろしくお願いします!!」
大智「俺達も楽しみにしてたんだよー」
聖也「よろしくねー」
パチパチパチ――
盛り上がり始めたけど、このテンションについていけない……。
聖也「じゃあとりあえず、ペアを作りますか!」
えぇ!?
紗知「OK〜勝った順でペア作るのはどう?」
仁奈「賛成!」
どんどん話が進んでいく。合コンってこんなに忙しいものなの!?
友也「じゃあ行くよー。最初はグー、ジャンケン――」
聖也「よろしくね!瀬奈ちゃん」
私とペアになったのは、1番テンションが高そうな聖也さん。
私が苦手な部類の人だ……。
瀬奈「お……願いします……」
聖也「もしかして緊張してる?こういうのって初めて?可愛いね〜」
瀬奈「アハハ……」
何も言ってないのに自己完結してどんどん話の内容を変えていく。
聖也「――それでさぁ、俺こう見えて服とかめっちゃ好きでよく古着屋とか行くんだよ」
瀬奈「そうなんですね……」
私が話す隙もなく、自分のことだけをひたすら話してくる。
そういえば、紗知たちはどうしてるんだろう。
チラッと周りを見ると――
紗知「えっ、ほんと!?私もそのお店よく行くよ!」
大智「じゃあ今度一緒に行こうよ。連絡先交換しない?」
紗知は共通の好きなお店の話で盛り上がり、仁奈は――
仁奈「私って結構ドジだから〜、周りから鈍臭いって言われるんですよ……」
友也「え〜それ絶対妬みとか入ってるよ。俺は仁奈ちゃんのそういう抜けてるところ可愛いと思うよ?」
こっちもまた別でいい感じそう……。
はぁ……帰りたい。
――――数分後
大智「紗知ちゃんがもう眠いって言うから俺送ってくわ。お先に」
手を振って帰っていく2人。
いや、紗知なんて毎日夜中の3時まで起きてますけど?
今の時刻は23時……絶対嘘じゃん!
友也「じゃあ俺らも帰ろうかな。帰りに寄りたいお店があるし、ね?」
仁奈「うん!じゃあ私達もお先でーす」
バタン――
瀬奈「…………」
聖也「…………」
気まずいし、帰ろうかな。
瀬奈「あの……私もそろそろ帰ります」
聖也「えっ、もう帰るの?俺的にはもうちょっと一緒に居たいんだけど」
瀬奈「でも、もう遅いですし……すみません。今日はありがとうございました」
聖也「じゃあ送ってくよ。女の子を一人で返すわけにはいかないし」
瀬奈「いえ、そこまで遠いわけでもないので大丈夫です。それにあと少しで終電なので走って帰りますので」
聖也「それでも何があるか分からないから。ほら、夜って怖いことだらけだし。それに走るなんて大変だから無理して帰らなくてもいいじゃん。終電逃したら俺と一緒にどこかに泊まろうよ」
意地でも私と夜を過ごしたいこの男。
このままだと埒が明かない。面倒くさいことになる前に帰るのがいい。
瀬奈「とにかく一人で大丈夫なのでっ!」
聖也「ちょっ、おい待てよ!」
先ほどまでの緩い話し方は消えて、大きい声で叫び始めた。
これはやばいと思って足早に部屋を出る。
〇カラオケ店の入口
◇夜
外へ出るとやはり暗く、それでも建物の看板たちで街が照らされている。
夜の街って感じだ。それにしても……
瀬奈「ハァ……」
よかった。追いかけてこない。
まさかいきなり合コンに参加させられるとは――
疲れた。早く帰ろう。
聖也「ちょっと待って!」
えぇ!?
急に腕を掴まれ、後ろを振り向くとさっきの自己完結男が息を切らしていた。
やばい、やばい、やばい!
これ以上この人と関わりたくないんだけど。
瀬奈「ま、まだ何か?」
聖也「そんなに冷たくしないでよー本当は恥ずかしくてそんな態度取ってるんでしょ?俺はちゃんと分かってるから。だからまだ俺と居てよ」
なんとも見当違いな。
ここから早く去ればよかった。
瀬奈「あの、恥ずかしいとかではなくて本当に一人で帰りたいだけなんで」
聖也「ツンデレなんだね。俺そういう子も好きだよ」
ダメだ、話が通じない。
聖也「恥ずかしいんだったら俺がリードしてあげるから、とりあえず付いてきて。今から駅に向かっても終電に間に合わないだろうし、こっちにいいお店あるからまだ遊ぼうよ」
人の話も聞かず、腕を掴まれたまま連れて行かれそうに。
瀬奈「離してください!」
周りの騒音で私の声が上手く届かない。今度は大きな声で。
瀬奈「あのっ!離し――」
?「おい」
え?
横から出てきた第三者の手。
そして私は最近までこの声を聞いたことがある。
聖也「お前誰だよ」
?「お前こそ俺の知り合いに、何してんだ?」
明かりに照らされた銀色の髪が綺麗に揺れる姿に息を飲んだ。
そうまるで狼のような彼が私のを助けてくれたのだ。