ビクリと肩を揺らしてしまった。


相変わらず威圧感のある人……
  
 
「はい。俺の専属メイドですから」


「お前はそのメイドが随分お気に入りのようだ。まさか、お前もそのメイドと恋仲になってるわけではあるまいな」


反応しないように心掛けた。


バレてしまったら、大変だから。


「違いますよ」


「なら、いいが。景斗の二の舞になるなよ」


「分かっていますよ」


景斗様は千景様の兄に当たる方。


確かメイドと恋仲になっていることがバレて、縁を切られてしまったらしい。


これは、その当時のことを知っているメイドさんから聞いた話。


私達もバレてしまったら、同じ運命を辿ることになる。


だから、バレるわけにはいかないんだ。