耳元で私の名前を囁かれて、集中していた私はビクリと肩を震わせた。


「集中してたね」


「ち、千景様。あの、近いです」


「今は2人きりだから、様付けはいらないよ」


私の言い分は無視されてしまった。


どこでスイッチが入ったんだろう……


声が甘くなってる。


「で、でも、仕事中で……」


「秘密にしとけばバレないよ」


悪い笑みを浮かべる千景様……ではなく千景さん。


そんな笑みも似合っていた。


「できるだけ声は抑えてね」


「声を抑えなきゃいけないことをするんですか……?」


「そうだよ」


恐る恐る聞いてみると、肯定された。


何をされるんだろう……


「ひゃっ……」


考えていたら首筋にキスを落とされ、変な声が出てしまった。