「だったら、俺も手伝うよ。さすがに重いでしょ?」


「い、いえ、千景様にそんなことをさせられません」


その申し出は有難いけど、千景様にやってもらうのは……


「別に大丈夫だよ。ほら、貸して?」


そうおっしゃって、手を差し出してきた千景様。


いいのかな……?


「もう勝手にもらうことにしようかな」


「あっ……」


悩んでいる間に本をほとんど取られてしまった。


「千景様、さすがに私の持つ本が少なすぎます……」


「白野さんは女の子なんだから、男の俺に任せてよ。このくらい大丈夫だし。さぁ、行こう」


「は、はい」


メイドなのにご主人様に持ってもらうなんて、本当なら駄目だよね。


須川さんに見つかったら、大目玉を食らいそう……


いや、それどころかクビになるかも……


「大丈夫だよ、俺がクビになんてさせないから」


私の思考を読んだようにそうおっしゃった千景様。


顔に出てたみたい……