千景さんの言うとおり、私の顔は真っ赤になった。


うぅ、恥ずかしい……


「ねぇ、羽結ちゃん。キスしていい?さっきはできなかったから」


「は、はい」


懇願され、思わず頷いてしまった。


「ありがとう。じゃあ、するね」


千景さんが顔を近づけてきたのと同時に目を閉じる。


さっきはここで呼び出しがあったけど、今回はなく……


そのまま唇が重なると、少ししたら離れていった。


「やっとキスできた」


目を開くと、そう言いながら嬉しそうな顔をする千景さんの姿があって……


その姿に胸がキュンとした。


「千景さん……」


もう1回キスを強請ろうとしたところで、コンコンコンと扉をノックする音が聞こえ、思わずビクリと肩が震えた。