私は白野羽結。


西園寺財閥のメイドをしている私にはある秘密があり……


「白野さん、少し来てもらってもいい?」


「あ、はい。分かりました、千景様」


私を呼び止めた人は西園寺千景様。


西園寺財閥の御曹司で次男に当たる方。


容姿端麗で誰にでも優しく、メイドの中でも懸想している人は多い。


かく言う私も懸想していることになるのかな……


「何してるの?早くついてきてよ」


「あっ、すみません。すぐ行きます」


慌てて千景様についていった。


「白野さん、入って」


「し、失礼します」


たどり着いた先は千景様の部屋。


促されて、千景様の部屋に一言かけてから中に入った。