「勉強……?」


やっと内容を読み込み、目を瞬かせる。


「そう!留年を賭けた勉強!俺今回の期末でヤバい点数とったらそろそろ留年が見えてきちまうんだよ…。」

「重いよ!!」


すかさず突っ込んだ。

私が、竜司くんの留年をかけて勉強を教えるの?

勉強を教えるだけなら良いけど…責任が重大過ぎて怖い。


「ちなみに、どれくらいマズいの…?」

「………次赤点を取ったら留年です。」

「結構ヤバいじゃん!」


想像以上に危機的状況だ…。竜司くんの学力がどれくらいなのか分からないし、そもそも私が教えて良いことなんてあるのかな。

珍しくしょぼんとなっている竜司くん。

うぅ…かわいそうだけど…。


「総長さんでも留年とか気にするんだね…。」

「いやいや、こちとら普通の高校生やってるつもりなんだよ。別に不良とかじゃないし。俺にとっても留年はかなり危機。」

「そ、そっかぁ〜。」


とりあえず笑いで誤魔化した。

そういえば、竜司くんは色々な噂は飛び交っているが、本人曰く不良じゃないんだっけ。

迷う私に、竜司くんが畳み掛けてきた。


「凛ちゃん、あの有名進学校の白虎高校だろ?教えてくれないか……?」

「うっ……確かにそうだけど…。」


私はいじめから逃げるために全力で勉強した結果、運良く受かっただけで、成績もパッとしないし、正直そこまで頭は良くない。

それこそゆっこの方が総合順位は上位だし、蓮なんか学年トップ10から落ちたことが無い。