「凛ちゃん、バイトやってたの!?しかもこんなオシャレな店!全然イメージ無かったー!」
蓮ちゃんがカウンターに駆け寄ってきて喋る。
ゆっこちゃんは私のお手製のスタンドを見て、なるほど、というように頷いた。
「凛ちゃん、頑張ってるね」
ゆっこちゃんはそう言って微笑んでくれた。
「うん。できることからやっていこうと思って。」
そう言って私も笑う。
「お、なんだ、凛ちゃん。友達か?」
突如、背後からそんな声が聞こえた。
全員の表情が一瞬にして凍りついた。
私たちは動かなくなった首を一斉にぎりぎりと動かし、声の主を見た。
「り、り、り、凛ちゃん!?!?なんで!?なんでコイツがいるのーーー!?!?」
蓮ちゃんが1番初めに大声をあげる。
慌てふためく彼女の表情は面白いくらい定まらなかった。
「あ、あ、あの!?これにはワケがあって!!」
弁明しようとする私を、ゆっこちゃんが抱きしめる。
「凛ちゃん、酷いことされてない?大丈夫?殴られたりしてない??」
親身になって心配してくれるのはありがたいけど……。
しょぼんとなった竜司くんが不憫すぎる!
「あんた、まさか凛ちゃんに何かしたんじゃないでしょうね!?」
蓮ちゃんが喚く。
今にも殴りかからんばかりの殺気を放っている。
「あー!!待って蓮ちゃん!事情を説明させて!!」
店内は騒然としてしまった。
そんな空気を打破すべく、私たちは、一度厨房へと入ることにした。