やっぱり、空気がぴりついている。

しかしよく見ると、見覚えのある顔が見られた。


「凛さん、お久しぶりっす!」

「元気にしてたっすか?」


一呼吸置き、彼らに一斉に話しかけられた。

会うのは2回目なのに、みんな旧知の仲のような感覚がする。

みんなが揃いも揃って私にすごい頻度でメッセージを送ってくるから。

いつのまにか全員の名前を覚えてしまった。


「あ、紹介するね。こっちが蓮、こっちがゆっこ。私の友達。」


一斉に、みんなの視線が二人に注がれる。

蓮は驚いて瑠衣にぴったりとくっついたが、ゆっこは持ち味の余裕さでニコニコ笑っている。

まさに、「どすこい」という感じだ。

蓮と私って、初対面の人々に囲まれた時とか、初めてのものに挑戦する時の反応が似ているなぁ。

そう気づいて苦笑する。

集まって談笑していると、突然後頭部に痛みが走った。


「いった…!」

「凛さん!」


首が仰け反り、体がふらついて壮助が咄嗟に支えてくれなければ倒れるところだった。

壮助の腕を感じながら、心臓がヒヤリとする。

その場がシーンと静まり返った。

うまく回らない首を動かし、後ろを確認する。


「てめぇ、誰だぁ?」


私の髪の毛をしっかりと掴んでいるのは、金髪モヒカンの、いかにも不良という風体の男の人だった。

ラグビーの選手並みに体格が良い。


「……離してください」


混乱して状況を飲み込めずに、上擦った声を出す。