竜司くんが頭を抱える。

あ、そっか。竜司くんは私に勉強を教えてもらっていることを瑠衣に知られることが嫌だったんだっけ。

プライドが許さないとかなんとかで。

まぁ、でもバレてしまってはしょうがないだろう。

私は瑠衣に経緯を説明した。


「へええ〜〜、竜司さん、年下に勉強教えてもらっているんだ〜〜」


ニヤつく瑠衣を竜司くんが蹴り飛ばす。

ベッドに顔面からダイブした瑠衣はまだ笑っている。


「黙れ、愛情表現苦手すぎるツンデレ野郎。」


竜司くんが反撃を開始した。

瑠衣の表情が固まる。

今度は竜司くんがニヤつく番だ。


「なんて?」

「俺に一生着いてくるんだろ〜?可愛い奴だなお前。」

「れ、蓮!てめ、言いやがったなこのやろう!」

「え、えぇ!?だって、だって……」


突然赤くなる瑠衣に、私たち3人は爆笑する。


「う、うるせぇ、黙れ!」


枕を投げつける瑠衣。

その枕を軽々と受け取り笑い転げる竜司くん、

涙が出てきた。

あぁ、素敵だなって思った。

こうやって笑い合える関係って、本当に大切だと思う。

窓から夕方の風が吹き込んでいる。

笑い声が部屋に響き渡った。