「めんどくさっ!!」


私と蓮の声が重なった。


「普通に守れって言ったつもりなのに、何深く考えてんの!」


私が呆れて言うと、蓮もすごい勢いで頷く。


「もう……嫌われたかと思ってびっくりしたじゃん…。」


まぁ、そこは蓮の早とちりも問題だったと思うけど。

その時、この空気を切り裂くようにインターホンが鳴った。

普通の「ピンポーン」とは違い、鼓膜を打ち破るような、ぐわんぐわんという大音量が響き渡った。

あまりの大音量に、安心していた蓮は驚いて飛び上がり、私もびくりと肩が動いた。

インターホンの音量設定が酷すぎる。

どういうことかと竜司くんを見ると、彼も不意を突かれたような驚いたような顔をしていた。


「お、音量どうなっているんだよ……」

「いや、あなたの家でしょう!」


彼も初めてインターホンを鳴らされたのだろうか。

不思議そうに呟く竜司くんに鋭く突っ込み、私は彼を急かした。


「早く出て!もう一回鳴らされたらたまったもんじゃない!」


ハッとしたように竜司くんが立ち上がり、玄関に走る。

その隙に私はモニターを見た。

そして、愕然とする。


「瑠衣……」


思わず声に出してしまった私。

蓮がガバッと起き上がり、モニターを見る。


「えぇぇぇ、そんな偶然ある!?」


あたふたする蓮。


「お邪魔しま〜す」


あぁ、どうしようっ、瑠衣が近づいてくる。

私たちは混乱しながら物理的にぶつかり合い、結局床に二人揃って正座した。

座った途端、大きな音を立ててドアが開け放たれる。


「おいバカ、ドア壊れるじゃねーか」


そう言って肩を掴む竜司くんの手を払いのけた瑠衣が私たちを見て固まる。


「あれぇ?蓮にツナちゃんじゃん。」