「やっぱりあのチャットのせい…?」


そう言って暗い顔になる蓮を、「それはないな」と竜司くんが一蹴した。

私たちは同時に竜司くんを見上げる。


「瑠衣はバカじゃないよ。信憑性のかけらもないメッセージを信じていきなりよそよそしくなることなんて無い。」


相当瑠衣を信用しているのだろう。

竜司くんの顔に迷いは無かった。

突如、蓮が笑い出した。


「ふっ…あははは、竜司くんが言うならそうなのかな。瑠衣も言ってたもん、ずっと竜司くんに着いていくって。すごい信頼関係だね。」


へえ、あの瑠衣がそんなこと言っていたんだ。

思わず感心してしまった。


「ふーん…あいつツンデレなんだなぁ」


そう言う竜司くんは、瑠衣の弱みを掴んだとばかりにニヤリと笑っていた。

そういう私も瑠衣の可愛いところを聞いてニマニマしてしまっている。


「瑠衣、可愛いとこあるじゃん。」


私が言うと、蓮が笑った。


「うんうん。竜司くんの前では絶対言わなそうなのにね〜」


さっきまでの泣き顔はどこへいったのやら。

蓮は朗らかに笑っていた。

この空間に瑠衣がいたら一体どんな顔をするのだろう。

想像すると変な笑みが浮かんでしまう。

二人も同じことを考えていたようで、目を合わせてニヤつく。


「多分なぁ、あいつ、ちゃんと原田のこと守ろうとしているんだよ。」


竜司くんが腕を組んでつぶやいた。


「あいつ変なところに責任感じるタイプだからさ。自分のせいで原田が暴行されたと知って、自分が原田の近くにいるのが悪いなら離れようって。そう思ったんじゃねえかな…。」


え、えぇ……?

竜司くんの言葉に目をぱちぱちとする蓮。

私も同じ気持ちだ。