「なんであんたなんかが瑠衣くんと仲良さげに話しているのよ!」

「色目使ってんじゃねえよクソ女。」

「死ねやマジ。」


クラスの女子の中心的人物の3人が蓮を取り囲み、暴行を加えていた。

硬いローファーで蓮の腹部を蹴飛ばして、耐えかねた蓮が崩れ落ちる。

座り込んだ蓮を容赦なく踏みつける3人。

ガードする蓮の腕さえ蹴り飛ばし、蓮は校舎の壁に背中をつけて耐えていた。


「あ…あっ……」


トラウマが蘇り、足が震える。

蓮と、過去の自分が重なった。


『死ね』


嫌な声が耳に蘇った。

呼吸が上がっていく。

どうしたら良い?先生を呼ぶ…?

でも、先生を呼びに行っている間に、蓮がどれだけ傷つけられるの?

自分がもどかしい。

こんなことを考えている間にも、あの3人は蓮に暴力を振るっている。

どうしよう、どうしよう、どうしよう……。

過呼吸になりながら、無駄な思考をぐるぐると繰り返す。


「ねぇ蓮。私は昔のあんたを知っているの。今のあんたの化けの皮なんか、いつでも剥ぐことができるのよ。」


そう言って笑う一人の女の子を、蓮はキッと見つめた。


「ふざけないで!!なんでこんなバカみたいなことするの。瑠衣目当てなら、彼に正々堂々と言いなさいよ!私を脅してどうするの、卑怯者!!!」


珍しく蓮が叫んだ。

3人は一瞬動きを止めた。


「はぁ!?テメェこそふざけんなよこのクソビッチが!!」


しかし、蓮の言葉は相手を逆上させただけで、さらに激しく暴行される。