病院のベッドに寝かされた健悟の横に座り、力なくぼんやりと一点を見つめている瞬。

やがてゆっくりと目を開けた健悟が、パパ?と呟く。

瞬はわずかに頬をゆるめて顔を覗き込んだ。

「気がついたか?大樹。気分はどう?痛いところはないか?」
「だいじょうぶ。ママは?」
「ん?ママも大丈夫だよ。別の部屋で寝てるんだ。それより大樹、喉乾いてないか?」
「うん。りんごジュースのみたい」
「そうだよな。少しずつなら飲んでもいいって。おかゆもゆっくり食べよう」

点滴に繋がれた健悟をそっと胸に抱き、瞬はジュースを飲ませる。

美味しそうに飲みながら笑顔を見せる健悟に微笑むと、優しく頭をなでた。

健悟は安心したように、また眠りに落ちていった。