夜は莉子が手料理を振る舞う予定だ。

少し各自部屋で休憩を取ってから、莉子は亜子を誘って夕飯の食材を買い出しに行こうと思っている。
それを莉子が司に伝えると、司は車を出して送迎をかって出る。

莉子は申し訳なくて、歩いて行けるからと遠慮するのに荷物も多くなるはずだし、数日分の食材をついでに買えば良いと言ってひかない。

過保護な旦那に戸惑いながら、それならよろしくお願いしますと、莉子はお願いする事にする。

兄にも声をかけたが、既に昼寝をしているらしく応答がないのて、亜子と一緒に司の車に乗り込む。

「司さんもせっかくの休日、少しはゆっくりしたいですよね。なのに…なんだか申し訳ありません。」

ここ数ヶ月2人で生活してみて分かったのだが、司は休みの日だってのんびり寛ぐ事をしない。

平日と同じように起き、時間があれば書庫で何やら勉強をしているし、ゴロゴロと過ごす姿を見た事がない。

疲れないだろうかと、今まで何度となく聞くのだが、のんびり寛ぐという事をした事が無く、無駄な時間を作る事が苦手だと言う。

莉子なんて日がな一日ボーっと過ごしたって平気なのに…驚くべき生活だと思っている。

そのくせ莉子が少しでも忙しくしていると、休めと言って止められるし、少しでも夜更かしして本を読んでいたりすると、気にして図書室まで探しに来るほどだ。

『莉子は俺とは体力が違うのだから無理は禁物だ。』と、いつも言ってくる。

優しくて心配症で妻思い、旦那様としては申し分ない人なのだ。