……返事がない。
怖くてつぶっていた目を片目だけ開け、青井の方を見る。
「……青井?」
「……どうした春瀬、悩みでもあるのか?」
………………はい?????
「な、なんで??」
「いや、春瀬に帰り誘われるの久々だからなんかあったのかなって。」
……常に予想外を提供してくる男だな、青井。
もう、優しすぎるんだよ。
また好きになっちゃうじゃん。
「部活も引退したし、久々に一緒に帰りたいなと思って。」
そう、私たちはこの間部活を引退した。
今日は部室の片付けをしたんだ。
3年間マネージャーとして頑張ってきた部活ももう終わりだと思うと、寂しい気持ちでいっぱいになる。
「そうか。」
……こんなふうに優しく笑う青井の近くにいれるのも、もう終わりなのかもしれない。